御縁をいただいて4年になる西法寺の本堂工事が佳境を迎えるため、夏に奈良のお寺を見に行きました。
古い建築を見る面白さのひとつは、長い歴史の間で色々な手を加えられている点にあります。
法隆寺五重塔も最初からこのような形をしていた訳でなく、長い時間を経て一層目と五層目の軒が下がってきたため、つっかえ柱が追加されています。その柱はゴテゴテしていて明らかに江戸時代の様式です。
恐らく、江戸時代の職人やお寺も悩んだことと思います、「聖徳太子時代の様式を採用する」か「現代(江戸時代)の様式を採用するか」。最新の技術・デザインで改修を行ったことに対して反発もあったかもしれません。その場に身を置くと、当時の議論が聞こえてきそうです。
東大寺の階段。誰かが「彫りなさい、彫るべきです!」と言ったのでしょう?