現在、那珂川市で進めているミリカローデン那珂川リニューアル工事で、建物全体のシンボルとなるミリカの木の検討を進めています。
建物全体のシンボルとなるミリカの木(那珂川市産の木材を使用)
今年の春先にはクローラーに乗って那珂川市内の山に実際に入り、今回の工事で使用する原木の伐採現場に立会いました。私たちは通常、現場で見る木材といえば製材された角材がほとんどですが、何十年もかけて育った木から、その角材一本が生まれるまでにどれほど多くの時間と、山を育てる人々の苦労がかかっているかを思い知らされました。
クローラーに乗って急斜面の山を駆け上がります。
伐採現場にて日本の森林が抱える問題や山の保全についてレクチャーを受けました。
美しく枝打ちされた杉。この状態を作るまでに果てしない人の労力がかかっています。
今回ミリカの木で使用する杉の原木
そして、伐採された木を乾燥、加工し今回ご協力いただいている東京電機大学の千葉実験棟で強度試験用のモックアップ製作を行いました。
大工さんにお手伝いいただき、順番に角材を積んでいきます。
今回合計で3つの試験体を作成しました。木材が積み上がり圧倒的な存在感がありました。これで約1/2の高さです。
今回のプロジェクトは図書館をはじめとした文化施設のリニューアルとあって、まちの「文化」について考える機会がたくさんあります。
この那珂川市産木材も山を何十年もかけて整備してきたまちの文化の一つだとも言えるでしょう。
図書館の本
音楽ホールで行われるコンサートやイベント
生涯学習棟で行われるワークショップ
文化とは具象性のあるものだけではなく、その場所に流れている空気のようなものかもしれません。
まだまだまちの文化について知見を深めていかなければです。
ここにしかない大切なものを受け継ぎ、未来へ向けて新たな文化が醸造されていく場所になるよう、これから更に気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
(anai)